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【ビジネストピック】Society 5.0 -社会課題を解決する未来とは

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みなさん、こんにちは。マネージャーの牛島です。ビジネスを行う上では、刻一刻と変化する現在に対応していくことも大事ですが、向かうべき「未来」に向けて事業を進めることも重要です。

日本は「Society 5.0」というキーワードで新たな社会に向けて動き出しています。今後の社会像を知り、その世界をイマジネーションしながら、今後のビジネスを生み出して参りましょう!!この記事ではSociety 5.0について解説していきます。

Society 5.0(ソサエティ5.0)とは

Society 5.0は、現在の情報社会の先にあるテクノロジーとより融合した社会です。AIやロボット技術、仮想空間技術を活用することで、より快適で活き活きと生きれる社会をつくるための指針です。以前、「政府広報オンライン」で公開された動画でイメージが伝わるので紹介させていただきます。

こちらは2017年に公開されたイメージムービーですが、2021年ではより現実に近づいていると感じますね。Society 5.0は正式には以下のように定義されています。

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

内閣府の『第5期科学技術基本計画』

現在をSociety 4.0(ソサエティ4.0)と定義し、現在感じている課題をテクノロジーによって解決していく社会として提唱されたのが、Society 5.0です。

ちなみに狩猟社会が「Society 1.0」、農耕社会が「Society 2.0」、工業社会が「Society 3.0」、情報社会が「Society 4.0」と定義されていて、社会のこの順序で発展し、それに続く未来の姿として5.0が提唱されているわけです。

Society 5.0(ソサエティ5.0)が描く未来とは

それでは、Society 5.0はどのような形で実現されていくのでしょうか。

引用:内閣府Webページ

これが内閣府が発表しているイメージ図です。4.0の社会では、それぞれがサイバー空間にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入手していました。これでは、必要な情報にアクセスできなかったり、時間がかかってしまったり、サイバー空間上での連携が取れていないため、テクノロジーは大きく分断された状態にあります。

5.0の世界では、IoT(モノがインターネットを経由して通信を行う)技術とAI(人工知能)、5G回線などの技術が活用されます。人がわざわざサイバー空間に情報をアップロードしなくてもモノを通して膨大なデータが集積され(=ビックデータ)、それを人間よりはるか情報分析に優れたAIが処理をします。

処理されたデータは、スマートフォンなどの端末やドローン、ロボットを通して、フィジカル空間に現実としてフィードバックされるのです。

簡単に言うと、これまで以上に必要な情報や技術にアクセスできる社会と言えるでしょう。

Society 5.0(ソサエティ5.0)が解決する社会課題とは

SDGsの実現やソーシャルビジネスの発展は、テクノロジーと連動しているともいえるかもしれません。これまで解決できなかった社会課題も新たなテクノロジーによって大きく改善される可能性があります。中でも具体的に解決が期待されている項目を紹介します。

食料の増産やロスの削減

消費者庁の発表では、2016年度の日本人1人当たりの年間食品ロス量は51Kgになり、日本全国で見ると643万トンにも及びます。世界では年間13億トンで、なんと生産されている食品の三分の一が廃棄されていることになります。同時に世界では貧困に苦しく人も数億人単位でおり、大きな社会課題です。

Society 5.0では、テクノロジーを活用した「スマート農業」を推進し、これまで以上に効率的かつ計画的に生産が可能になり、需要管理と連動して食品ロスの問題も大幅に改善することが期待されています。

温室効果ガスの排出削減

日本は世界の中でも温室効果ガスの排出量が上位に位置しています。大きな課題として捉えられ、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を策定し、2050年までに80%削減を目指しています。

再生可能エネルギーを主軸とし、最新テクノロジーを活用した効率的なエネルギー運用を行っていくことで、この削減を実現していくことを目指しています。エネルギーを創ることにも、使う事にもイノベーションを起こしていくことが目標とされています。

持続可能な産業化

今後、少子高齢化が進んでいく日本は、働き手不足の問題をはらんでいます。産業面では、IoT、AI、ロボットといったテクノロジーはとても有効です。

遠隔化や全自動化により、作業効率は大幅に効率化され、人はそのコントロールを担うだけでよくなります。また、AI分析により生産体制や配送体制も常に効率化が進むことで、人手不足の中でも持続的な産業が進んでいきます。

社会コストの抑制

ここでも大きな問題としてあるのは少子高齢化です。高齢化が進むと、医療や介護の分野で需要が高まりますが、同時に医療従事者、介護従事者の担い手は減少しているので、社会コストは増大し続けていきます。テクノロジーによる、遠隔診療や介護現場におけるロボットの活用が進むことで、誰もが安心して医療や介護サービスを受けられる社会を実現しようとしています。

地域間格差の解消

世界では富の不平等が大きな課題となっていますが、日本では地域格差という形で課題となっています。都市に人口が集中すると、地方の財政は悪化し、公共サービスも不十分となります。そうなれば、人は更に離れていき、地方に残る人々は孤立していくのです。

少子高齢化社会は、限界集落など現実の問題として迫ってきています。人口が減少した地方でも自動運転バスなど、テクノロジーによって十分な公共サービスを維持し、地方住民が安心して暮らす社会が必要とされています。

まとめ

「20XX in Society 5.0~デジタルで創る、私たちの未来~」(ロングver.)

こちらは日本経団連が2020年に発表したコンセプト動画です。

Society 5.0は、夢の世界ではなくよりテクノロジーの発展とその活用が進むことで実現できる社会であると共に、少子高齢化が進む日本では社会インフラを維持していくために必要な未来像だと言えます。

現在、多くの企業がその実現に取り組んでいます。テクノロジーというと取っつきにくさを感じる方もいるかもしれませんが、本気で課題解決に取り組むのではあれば、真摯に向き合う必要があるかもしれません。

ただ、同時に、デジタルを使える人と使えない人の情報格差 (デジタル・ディバイド)も大きな問題になっていくと思います。ウィズスクエア福岡でも起業家のみなさんに様々な情報を提供しておりますので、お気軽にお問合せください。お待ちしております!

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