みなさん、こんにちは!ウィズスクエア福岡マネージャーの牛島です。
SDGsや社会課題を解決を重要視する機運も高まり、様々なソーシャルビジネス(社会課題解決を目的としたビジネス)が生まれています。その中で今回ご紹介するのは、再犯防止による社会貢献を目的とした株式会社ヒューマンハーバーです。
11月21日(土)に企業訪問・講演を行いますので、記事を見て興味を見っていただいた方はチェックしてみてくださいね。
株式会社ヒューマンハーバーとは
代表を務める副島 勲さんが、ソーシャル・ビジネスムの創始者ムハマド・ユヌス博士の理念に共鳴し、2012年に設立されました。ムハマド・ユヌス博士の定めた7原則に則った日本初の株式会社であり、日本のソーシャルビジネスの草分け的な存在と言えます。
事業の柱は、スクラップや産業廃棄物の処理委託の依頼を受託するリサイクルとなっています。その事業の主な担い手は、刑務所や少年院から出所・出院された人たちです。
副島さんは、以前より保護司(出所された人のサポートを行う)を務めていて、出所者の社会復帰の困難さを肌で感じてこられていました。
その困難の中心は、「働くこと」です。働くことが出来なければ、持続的な住まいを見つけることもかなわず、社会での居場所も失い、再び犯罪に傾いてしまいます。
しかし、出所者にとっては働き先を見つけることは非常に困難です。さらに仕事に就けたとしても、先進的な面、体力的な面で続けていくことが難しいケースも多くあります。また、副島さんによると、どうして出所者には偏った考えを持つ人も多く、トラブルを起こしてしまう人も少なくないと言います。
それらの問題を解決するために、副島さんは働く場(リサイクル事業)、住まい、教育、就労訓練をセットで行っています。
ムハマド・ユヌス博士の著作『3つのゼロの世界 貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済』でも、「役に立つ仕事ができない人がいる、そんな考えは退けられるべき誤った思い込みだ。HH(ヒューマンハーバー)のような会社は、それを証明している」と紹介され、社会にとって重要な役割を担った企業です。
再犯防止のソーシャルビジネスの社会的意義とは?
再犯防止というと、「犯罪をおかす人を減らす」ことがまず頭に思い浮かぶでしょう。犯罪が減ることは、被害にあわれる人が減ることですから、もちろんがそれが一番の社会的意義ですよね。しかし、その重要性はそれだけにとどまらないのです。
実は、刑務所に入って出所するまでには、一人あたり約300万円の費用が必要だと言われています。さらに、逮捕から出所までとなると、トータルで2000万円近くの費用がかかることになると言われています。年間の費用で言うと、全体で約5兆円です。
その事実をうけ、副島さんは「罪を犯した人が納税者に変わることこそが,国にとっても大きなメリットとなる」と言います。かかる経費は税金ですが、そのマイナスがプラスに転じることは国にとっては相当なインパクトでしょう。
どうしても再犯防止というと、貧困ビジネスのイメージを持たれる事が多いと言います。そのイメージを脱却するためにも、副島さんは収益をあげ出所者を雇用し続ける仕組みをつくったのです。
まとめ
副島さんにお会いした時にことは今でも忘れません。
穏やかに微笑みを浮かべ、丁寧に挨拶をしてくださりました。その所作から、副島さんの心の温かさが伝わったことを印象的に覚えています。私の小さな悩みにもじっくりと言葉を選び話してくださって、ご本人の雰囲気もあり、とても有り難い時間だと感じました。
社会課題は、簡単なことでないから課題となっているのであり、解決することには困難が伴います。副島さんは70代にして、その困難に立ち向かい、社会課題解決を続けられています。
11月21日(土)の企業訪問では、実際の現場に訪問してご案内をいただきます。社会課題のジャンルを違えども、立ち向かう姿勢や工夫からは得るものが多くあります。
ここまで読んでいただいた方はぜひご参加いただき、副島さんに接していただけると得られるものが多くあると思います。
また、これからソーシャルビジネスを始めたいと方や、そうったテーマの拠点を持ちたいという方も個別でご相談も受け付けていますので、お気軽にお問合せください。
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